木のぬくもりを感じる手刻みの家づくりがモットー

中崎さん

仕事は闘い。だから楽しい

 中﨑さんは子どものころからものづくりが大好きで、学校の工作の授業はもちろん、家でもロボットや怪獣、戦艦などのプラモデルをよく作っていた。豊中市にある3年制の専門学校を卒業し、自分の家を建ててもらったときに作業を手伝い、あらためて「自分の手で家を建てたい」と思い、大工になることを決意した。
 自分の手で道具の刃を研ぎ、木を削り、継ぎ足し、組み合わせ、少しずつ形になって出来上がっていく家づくり。柱一本削る際も仕上がりには絶対に妥協せず、施主の意向をじっくり聞きながら、常に住む人の気持ちになって仕事をしている。
 木にはそれぞれ質やクセがあり、同じ図面で同じ大工が建てても、まったく同じ家にはならない。「苦労して家が完成したときは達成感があるし、最後にお客さんに喜んでもらったときは本当にうれしい。仕事は常に難しく、一つひとつの工程のどれもが闘い。だからこそ楽しいんです」という。
 そんな職人気質の中﨑さんは、中学、高校では軟式テニス部に所属し、いまは新城さんと同じく釣りが趣味。2級船舶免許も持っていて、休みの日には新城さんら釣り仲間と鹿島や田辺、白浜の海へ船で繰り出す。大工の先輩の新城さんも「釣りに関してはかずちゃんがボクの師匠」といい、互いに共通の趣味でONとOFFを切り替える。
 大工になって17年。出かけた先では専門の木造の家だけでなく、コンクリートの建物も見て、自分の仕事にプラスになる材料をさがす。その目の先、少し上には常に新城さんがいる。